遺伝子検査

TRC原理

 TRCの原理

TRC法について、遺伝子(RNA)増幅および検出方法についてご説明します。

TRC原理図20210810.jpg

(1) 標的RNAを鋳型とし,逆転写酵素,プロモーター配列を付加したプロモータープライマーとアンチセンスプライマー(転写鎖をセンス鎖とする),によってプロモーター領域を有する二本鎖DNAが合成されます。なお,センス鎖の5’末端をそろえるためシザープローブおよびRNaseH活性により標的RNAをあらかじめ特異的に切断する工程も実施可能です。

(2) 生成された二本鎖DNAを鋳型として,RNAポリメラーゼによって転写RNAが生産されます。

(3) 前記の転写RNAの各々は(1)に記載の工程と同様に二本鎖DNAを合成するための鋳型となり,二本鎖DNA合成-転写のサイクルが回転します。

(4)インターカレーター性蛍光色素を標識したINAF(Intercalation Activating Florescence)プローブ(核酸と相補的な二本鎖を形成するとインターカレーター部が二本鎖にインターカレートして蛍光増感を示す)が生産された転写RNAに結合してRNA生産量に応じた蛍光増感を示します。得られました蛍光強度はリアルタイムに測定されます。


日本臨床検査医学会誌 66(5), 515, 2018 「自動遺伝子検査システムTRCReadyについて」 より