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甲状腺項目

甲状腺項目

・甲状腺ホルモンなど

視床下部からのTSH放出ホルモン(TRH)が下垂体に作用することによって、下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が分泌されます。分泌されたTSHは甲状腺組織のTSHレセプターに結合し、甲状腺ホルモン(T4、T3)の合成・分泌を促進します。一方、T4、T3は視床下部及び下垂体に作用して、TSHの分泌を調節しています(ネガティブフィードバック機構)。血中のT4、T3の大部分は、サイロキシン結合性グロブリン(TBG)、アルブミンなどのたん白質と結合しています。そして、これらのたん白質と結合していない遊離型の甲状腺ホルモンをそれぞれfreeT4(FT4)、freeT3(FT3)と呼びます。この遊離型甲状腺ホルモンのみが細胞内に移行し、最終的にT4はT3に変換されてホルモン作用を発現します。甲状腺ホルモンは、糖代謝の亢進、脂肪代謝の亢進、熱産生、発達促進など種々の生理作用を有しています。

また、サイログロブリン(Tg)は甲状腺濾胞細胞で作られる分子量約66万の糖たんぱく質で、甲状腺腫、バセドウ病、亜急性甲状腺炎、橋本病及び甲状腺癌などにおいて濃度の上昇が報告されています。甲状腺分化癌における甲状腺組織摘出後の経過観察、再発や転移のモニターに有用とされています。

・甲状腺自己抗体

甲状腺ホルモンは、糖代謝、脂質代謝の調節、熱産生、その他種々の生理作用を有しており、その分泌異常はさまざまな症状を引き起こします。甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症は、その多くが自己免疫疾患を原因としており、代表的なものとして、機能亢進状態となるバセドウ病、機能低下状態になる慢性甲状腺炎(橋本病)があげられます。
甲状腺疾患患者の診察には、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定に加えて、甲状腺自己抗体の測定が必要であり、それによって疾患の鑑別や治療方針の決定がなされます。

抗TSHレセプター抗体(TRAb)は、そのうちの刺激型の抗体が甲状腺ホルモンの合成・分泌を促進することから、バセドウ病の甲状腺機能亢進症の原因と考えられている抗体です。また、抗サイログロブリン抗体(TgAb)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)は、それぞれ、甲状腺組織に特異的に存在しているたん白質(サイログロブリン、甲状腺ペルオキシダーゼ)に対する自己抗体で、甲状腺に対する自己免疫の有無およびその程度がわかります。2010年に発表された日本甲状腺学会の甲状腺疾患診断ガイドラインにおいて、バセドウ病の診断ではTRAbが、慢性甲状腺炎(橋本病)の診断ではTPOAb、TgAbが検査項目として記載されています。

※参考

1) 東ソー株式会社小冊子:甲状腺疾患と血液検査(監修 橋本琢磨 先生)

詳しくは、それぞれの項目のページをご覧ください。

甲状腺ホルモン等

    TSH     T3    FT3    T4     FT4      Tg

甲状腺自己抗体

    TRAb     TPOAb     TgAb

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