CORT(コルチゾール)
血液検査用コルチゾール
コルチゾール(Cortisol)は、副腎皮質で産生される最も重要な糖質コルチコイドの一種であり、各組織に作用して糖質・脂質・たんぱく質代謝の調節、血糖上昇作用、及び抗炎症・抗アレルギー作用などの生理作用を有します。
その血中濃度は、下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)により調節され、産生されたコルチゾールはACTH産生を抑制するというネガティブフィードバックによりバランスを保っています。
ACTH同様日内変動が確認されており、一定時間(早朝)に採血することが必要です。
コルチゾールはクッシング症候群においては過剰に産生・分泌され、他方、副腎病変によりコルチゾール分泌が減少した場合はACTHの産生を誘導します(アジソン病)。内分泌機能検査として、副腎からのコルチゾール分泌能を確認するデキサメサゾン抑制試験、副腎皮質機能低下症を調べるACTH負荷試験などの指標として使われ、副腎疾患の診断ならびに視床下部-下垂体-副腎皮質系の検査に有用です1)。
1) 堀場伸郎 須田俊宏:内分泌機能検査の実際.ACTH・糖質ステロイド.、ホルモンと臨床、43、夏季増刊号,27-36(1995)
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